いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防

「あ、いや……ううん。文香が本当に幸せそうで嬉しかったなぁってちょっと浸っちゃった」

誤魔化すようにコーヒーに口を付け、カップの陰からもう一度涼介を見つめる。

私も思い込んでいるのだろうか?素直になったらどうなるんだろう。

そんな私の迷いに気付かない涼介はキョロキョロと周囲を見回している。

「どうしたの?」

「時間あるならさ、あれ行ってみないか?」

指差す先にあったのはブライダルフェアの立て看板だ。

「え!?……あ、文香達の為に資料もらうの?」

「いや。兄さんの立場考えたら、結婚式はランドホテル一択だからね、資料なんか要らない。でも、俺的に欲しくて」

そう言って私を見返した瞳には挑発するような色気が奥に見えてドキッとする。