普通じゃない君へ。

本なんてめったに読まない私だったけど、亮平君に借り方を教えるために試しに一冊借りてきた。

「ありがとね、美伊さん。」

「いや、大丈夫。ていうか呼び捨てでいいよ、さん付けされるとなんか違和感が…。」

私がそう言うと、亮平君は「そっか。」と言って「じゃあ…」と言葉を続けた。

「じゃあ美伊も俺の事『亮平』って呼んでよ。これでおあいこってことで。」

「うん、おっけ、そうしよっか。」

そんな事を言いながら教室に戻ると、クラスメイトがまた新たな質問でも思いついたのか、

亮平の事を囲んで話し出した。

そんな中、私は亮平に選んでもらった本を開いた。

文字が小さく、眠くなりそうだなと思っていたのだが

不思議と読書に熱中することができ、休み時間が終わるまで自席で本を読んでいた。

授業が始まり、チラリと亮平の方を見ると、亮平は机の下に本を隠して読んでいた。

まだ授業中だって言うのに、意外と度胸あるんだなぁ。

大人しそうな見た目とは裏腹に、ズバズバ物を言ったり、授業中に本を読んだりと

人は見た目で判断してはいけないってこの事だな、と思った。