ノラと呼ばれた男【弐】

迅は、と言うと………………
コクーンスカートを下に履き、上は淡い水色の、肩が出る服に身を包んでいた。

綺麗と言うより、…………かっこいい、

心なしか、クラスの皆も迅をチラチラと見ていた。そして当の本人は、




「…………ねむい、」



普段と変わらず、ブレない迅様。


そーいえばHR 後から竹松先生、見ないけど…………寝てるな絶対に。

こんないい洋服まで揃えた上に、看板、チラシまで作ったらしい竹松の目の下には、一生消えなさそうな隈が出来ていた

昨日より酷く顔色が悪かったのは、きっと気のせいではないだろう



今頃、間違いなく保健室で爆睡中なのが簡単に想像がつく。








「てかさ、姫のドレス姿きれー」


そうお世辞を言ったのは藍で、私は苦笑した

竹松先生が私用に、と準備してくれたのは比較的に露出度控え目の二着のドレス

どっちか迷ったらしく、「お前が決めな」と任された。



1着は、肩と腕が出るカクテルドレス

もう1着は、肩と腕を隠したアフタヌーンドレス







で、私が選んだのは、


紺に近い青色のアフタヌーンドレスで、ドレスに合わせて青色のハイヒール

光が当たればキラキラと光る靴。見るだけなら綺麗だが…………動き回るのには不便でしかない。




「まぁ……孫にも衣装だな」




「うん、一華ちゃん似合ってるよ」




「……暑くないか?」



と、不意に私の腕を迅が掴む。

今の季節にしちゃ、少し早い……とも見てとれる長袖。だが、私は別の意味でドキリとした



何故ならそれは……………………、



ちょうど私が刺青を入れている腕の位置を捕まれたから、だ。






「え?あ、…………うん、平気だよ」