木島課長の車で行き着いた先、木島課長のお宅は裏切らなかった。

高層タワーマンションの上階である。


「高そう・・・。」


値段的にも高さ的にも・・・




「ほら、行くぞ!」



普段から割とサクッと話すタイプではありましたが



課長今日はちょっと強引じゃありません?



「これくらいしないと伊月は俺には付いてこないだろう?今日はお酒の力も借りたがな。もう逃がす気は無い。」



車から降りるとまた手を繋いで、駐車場からの入口オートロックを外して中に入ると高級感漂うエレベーターホール。



着いたエレベーターで押された階数ボタンは30階。



かなりの高層階にお住いですね。




「伊月は見晴らしいいところが好きだろう?いい眺めだぞ。」



ニヤッと笑うその顔も企んでそうでもイケメンなので様になります。



確かに眺めのいいところは好きですが、私はしがない平社員。
こんな所には住めません!
ちっちゃな8畳ワンルームロフト付き風呂トイレ別が私のお城である。


課長はうちの会社の創業者一族である。

うちの株も持っているだろうからお金持ち。


玉の輿に乗りたい女子にも大人気。

イケメンでも大人気。



足りないところはない、死角なしイケメンである。

新年度からは部長内定しており、更なる上の役職へ昇進していく。

向かうところ敵無しのイケメンだ。




つらつら考えてるうちに30階到着。

課長は部屋のドアをカードキーで開けている。



「ほら、早く来い。」


パタン、カチャン。


わーお、ドアが一般宅の筈だけどオートロック機能付き。

さすがタワマンだね。



「お邪魔します。」



そうして入った初めての課長のお宅はめちゃめちゃ広かった!

リビングは20畳くらいありそうで。
ダイニングテーブルとソファーにローテーブルにテレビ台に間接照明。
壁際にマガジンラックに本棚がある。


ダークブラウンで落ち着いた感じだ。