赤髪の彼

「なぁ、なんで陽菜のこと振ったんだよ」


「お前が陽菜のこと好きだから？」



ある日、高校で唯一俺と話してくれる女友達の陽菜のことを親友の逢坂が振ったと陽菜から聞いた。

しかも、俺が陽菜のことを好きだとか言い出す始末。



「は？俺がいつ陽菜のこと好きって言った？」


「お前好きなやついるって言っただろ」


「だからってなんで陽菜になるんだよ」



全然違うし。俺が好きな女は、陽菜よりもっとかわいいし。



「お前仲いい女なんて陽菜しかいねーだろ」


「この学校じゃねぇよ」


「騙されない。お前のこと小学生から知ってんだぞ」



あー。めんどくせぇ。
勝手に言ってろ。



「お前が付き合う付き合わないは自由だけど、俺を理由にすんな」


「じゃあ、好きな女と付き合えよ。お前に彼女できたら俺も陽菜と付き合う」


「はぁ？」



心底こいつのことをバカだとはじめて思った。