「晴斗先輩。あなたとの会話が思い出せないんです。どうしても、どうしても……っ」



 苦しくなって、わたしはアルバムを鞄に押し込む。


 今見ると、このアルバムは辛さを増すだけ。見るんじゃなかったと、後悔する。


 なんて色のないアルバムなんだろう。
 こんなに心の通わないものをずっと大事にしていたなんて。


 わたしたちって、本当に付き合っていたの?


 気づけば、いつもの癖でスマホの確認をしていた。


 時刻はお昼前。日曜日が半分終わってしまった。



「……えっ」



 時間よりも、わたしは履歴を見てびっくりした。


 電話が五件。メールも三件。
 全部、晴斗先輩からのものだ。



「今更……今更、なにを話せばいいの?」