目は真っ赤に充血していて、立っているのもやっとという状態だ。


「リナのお母さん!」


あたしはすぐに駆け寄った。


「あぁ……あなたたち……」


リナの母親は警察の用意した小さな椅子に座り、大きく深呼吸をしている。


「あの……リナは……?」


そう質問する声が情けないほどに震えていた。


聞いてしまえばすべてを受け入れなければならなくなってしまう。


知らないままなら、リナは死んでなんかいないと思い込むことだってできるのに。


リナの母親はあたしの質問に、ゆっくりと左右に首を振った。


「突然だったの。部屋にトラックが突っ込んできて、リビングにいたあの子の体を跳ね飛ばして……」


そう言い、言葉を詰まらせる母親。


「本当だったんですね……」


沙良が呟くような小さな声でそう言った。