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学校を出てリナの暮らしていたアパートへと続く道へ出た時、ブルーシートが見えた。


リナの家は学校からとても近いから、ここに立つだけでよく見える。


ブルーシートの周辺には人だかりができていて、まだ数人の警察官が残っている。


あの場所で何かが起こったことは間違いないようだった。


あたしは思わず歩みを止めてしまいそうになりながらも、どうにか歩き出した。


沙良も歩調がゆっくりになっている。


「ブルーシートがかけられている所って、リナの部屋だよね」


あたしがそう言うと、沙良はビクリと肩を震わせた。


「ねぇ沙良……」


もう十分理解できたよ。


もうこれ以上進むのは嫌だよ。


そう思ったのだけれど、沙良が振り向いた。


「ちゃんと確認しなきゃわからないでしょ」


沙良の言葉にグッと言葉を飲みこんだ。