リナが死んだ。


それは時間が経つにつれて徐々に理解されて行った。


最初は混乱していた生徒たちも、リナが登校して来ない事、リナのスマホに繋がらない事を確認してだんだんと現実を受け入れて行った。


「リナの家に行こう」


放課後になってすぐ、沙良がそう声をかけて来た。


「今から?」


今はきっと大変なときだ。


家の人たちだって混乱し、慌ただしくしているだろう。


「リナが死んだなんて納得できない」


沙良が強い口調でそう言った。


そんなのあたしだって同じ気持ちだった。


トラックが家に突っ込むなんて、現実とはかけ離れている。


「……わかった。行こう」


現実をこの目で確認するんだ。


あたしはそう心に決めて頷いたのだった。