「どうしたの?」


「これ……」


沙良が見せて来た画面には、あの砂嵐の動画が流れていた。


モヤのようでハッキリしなかった影が、今日は人間のように動いているのがわかった。


「なんで!?」


「メールで送られてきたの。この動画が……」


沙良が震える手でギュッと拳を握りしめ、そう言った。


「メールで……?」


画面の最後には《残り4日》と表示され、パッと消えて行った。


「貸して!!」


あたしはすぐに沙良のスマホを奪い取り、動画を削除した。


こんなの誰かの嫌がらせに決まってる!


あたしたちを怖がらせて楽しんでいるだけだ!


あたしは自分自身にそう言い聞かせたのだった。