「虫の居所でも悪かったんだろうな。まぁ、気にするなよ」


寛太はそう言い、あたしの頭をポンッと叩いた。


昔は同じくらいの身長で、手の大きさだって変わらなかったのに。


今あたしの頭に乗せられたその手はとても大きく感じられて、ドキリとしてしまった。


寛太にドキドキするなんてありえない!


すぐにそう考え直して「ちょっと、子供扱いしないでよ」と、寛太を睨みあげた。


「イズミはまだまだ子供だろ?」


「どこが子供よ」


「身長とか」


そう言われ、余計にムッときた。


あたしの両親は2人とも背が低い。


よって、あたしも当然のように小さくてギリギリ150センチある程度だった。