あたしたちはいつもの日常へと戻ってきていた。


いなくなってしまった3人のお墓に手を合わせ、あたしと寛太と沙良は立ち上がった。


呪いの全貌を知っている人間はあたしたち3人と、松田裕しかいない。


あの後呪いの動画はあっという間に消えてなくなり、呟きサイトをどう探してみても出てこなかった。


そのため、サイト上では一時の流行もののような扱いになっていた。


けれど、あたしも寛太も、地元へ戻ってからすぐに呟きサイトを退会していた。


もう、巻き込まれるのはごめんだった。


「すっかり夏になったね」


空を見上げて沙良がそう言った。


空には入道雲がのんびりと流れている。


「そうだね」


あたしはそう返事をした。


「夏休みどうする?」


寛太がそう聞いて来た。