「帰ってくれ! そんなデマを俺に吹き込んでどうするつもりだ!!」


怒鳴り声をあげ、あたしと寛太の体を突き飛ばす、


その拍子に体のバランスを崩したけれど、どうにか両市で踏ん張った。


「本当のことなんです! ミズキさんの家にはその証拠も残ってる!」


寛太が叫ぶ。


しかし松田裕は目を吊り上げて「うるさい!!」と、声を荒げた。


突然訪れたあたしたちの言葉を信用できないのはよくわかる。


けれど、松田裕はあたしたちの言葉を信じたくなくて、ジタバタとだだをこねているように感じられた。


「松田さん……もしかして、何か知っているんじゃないですか?」


そう聞くと、松田裕はグッと押し黙ってしまった。


目を泳がせ挙動不審になる。


「まさかあんた、ミズキさんの身になにが起こっていたのか知ってたのか?」


「知らない!!」


寛太の言葉にまた怒鳴る松田裕。


どう見ても様子がおかしい。