ガタンッと大きな音がして、何かが崩れた気配がした。


ハッとして顔を上げると、寛太が走って階段を駆け上がって行く。


「ドアが開くぞ!!」


その言葉にあたしは沙良の体を支えて起こした。


まだむせているが、意識はしっかりと戻ってきている。


「探して……あたしの……大切な人」


そんな声が聞こえてきて、あたりは再び静けさに包まれたのだった。