「ミズキの呪いなんて、ほんとうにそんなものがあるのか」


男性は険しい表情でそう言った。


「信じてもらえないかもしれないけれど、本当の話しなんです」


あたしはそう言った。


とにかく、一刻も早くこの地下室を出たい。


そう、思ったのだが……。


「それなら君たちはイケニエってところだな」


男性はそう言い、声を上げて笑ったのだ。


イケニエ。


という単語に背筋が寒くなる。


この町で実際に行われていたことを、この男性だって知っているはずなのに。


どうしてそんな軽い口調で言う事ができるんだろう。


そう思った次の瞬間、男性の拳が寛太の腹部に当たっていた。


突然殴られた寛太は防御することもできず、倒れ込んでしまう。


「悪いね君たち。俺はもう行くよ」


男性はニヤニヤとした笑顔を浮かべて階段を上がりはじめる。