「寛太……誰に電話するの?」


「柏谷さんだ」


それは、ミズキさんの事を教えてくれたあの男性のことだった。


あたしも寛太と同じようにスマホを取り出し、電波を探し始める。


階段を上がってみても、電波がある場所が見つけられない。


「あたしたち……ここで全員死ぬの?」


壁際に座り込んでいる沙良がそう呟いた。


「沙良……」


「大丈夫だ! みんなで脱出方法を考えよう!」


寛太が叫ぶようにそう言った。