「あたしは沙良を1人になんてしない。だから、安心して。ね?」


言いながら、声が震えていた。


情けない。


沙良を元気づけたいのに、恐怖を隠しきれていない。


「イズミ……。ごめん、ごめんねぇ!!」


沙良があたしの体を抱きしめて来た。


とても暖かな温もりに包まれて、心地いい。


自分の震えがスッと消えて行くのを感じた。


「おい、3人ともこっちに来いよ!!」


何かを見つけたのか、博樹のそんな声が聞こえてきてあたしと沙良は顔を上げた。


「沙良、歩ける?」


「うん。大丈夫」


グイッと力強く涙をぬぐい、立ち上がる沙良。


あたしはその体を支えるようにして歩き出した。