今1番怖いのは沙良なんだ。


その恐怖が少しでも和らぐのなら、八つ当たりだってかまわない。


「沙良……」


手を伸ばすが、その手も跳ね除けられてしまった。


完全にあたしのことを拒絶している。


あれだけ仲の良かった沙良の豹変に、刺されるように胸が痛んだ。


「適当なことばっかり言わないでよ!!」


ガラガラに荒れた声で沙良が叫んだ。


叫ぶと同時にまた涙があふれ出している。


「大丈夫って、なにが大丈夫だの!? これだけ探してもヒントなんてなにも見つからないじゃん!!」


叫びながら、駄々っ子のように床を叩きつける沙良。


「こんな町まできても、結局動画は止まらない!! あたしは今日中に死ぬんだから!!」


その言葉に、自然と涙が浮かんできていた。