あたしは沙良を励ますためにそう言った。


なんでもいい。


明日が来る前になにか見つけないと。


そう思い、あたしは沙良と協力して畳を上げていく事にした。


大切な秘密は簡単には人目につかない場所にあるはずだ。


けれど、4畳分の畳をあげてみても、そこにはなにも隠されていなかった。


落胆しそうになる心を奮い立たせて次の部屋へと向かう。


電気がついていないから、月明かりだけが頼りだった。


蜘蛛の巣や埃と格闘しながら部屋の中を探して行く。


その時だった。


「沙良! イズミ!」


と、あたしたちを呼ぶ弘樹の声が聞こえてきて、あたしたちは手を止めた。


博樹の手にはスマホが握られていて、そこだけ明るく照らし出されている。