ミズキは人を怨んでなんかなかった。


それなのに呪いの動画が作られた……。


原因はなんなのか。


それを探るため、あたしたちは再び冨福家に足を踏み入れていた。


相変わらず埃っぽいけれど、ミズキの話を聞いたあとだからか少しだけ気分は楽だった。


あたしと沙良はまず仏壇のある部屋から探し始めた。


ほとんど家具が撤去されてしまっているけれど、部屋の隅々まで探して行く。


ミズキさんの写真を見ると、あたしたちと同年代か、少し年上の女性に見えた。


とても可愛らしくて、笑顔の素敵な女性だ。


きっと、町でも人気者だったんじゃないかと思えた。


「なにもないね……」


仏壇の周辺を捜し終えた沙良が肩を落としてそう言った。


「諦めるのは早いよ。この家大きいからきっとなにかヒントが見つかるから」