消えてしまいそうな沙良の笑顔に、胸が張り裂けそうだ。


あたしは沙良が消えてしまわないように、その手をきつく握りしめた。


大丈夫。


沙良はまだここにいる。


消えてなんてない。


自分自身を安心させるために、何度もそれを確認した。


「まだ終わってないよ!!」


思わず声が大きくなった。


沙良が驚いた顔を浮かべている。


「まだ終わってない! 沙良はこうして生きてるし、もう少しで呪いの根源までたどり着くかもしれないじゃん!!」


言いながら、あたしは泣いていた。


沙良に諦めてほしくなかった。


明日死ぬなんて、思ってほしくなかった。


沙良は生きている。


ずっとずっと、何日後も、何年後も生きている。