怖くて苦しくて冷たくて。


そんな気持ちで死んでいった人がほとんどだろう。


供養しても供養しても、供養しきれない死者の魂も、存在しているかもしれない。


「あたし、明日死ぬのかな」


不意に呟いた沙良の言葉が、一瞬周囲を停止させた。


沙良の髪だけが時間の通り風に揺れているように見えた。


「なに……言ってるの?」


今までにないくらい、自分の声が震えている。


沙良が死ぬかもしれない。


その現実が明日に差し迫っているという事実が、重たくのしかかって来る。


「寛太やイズミとここまで来て、もしかしたら呪いの根源がわかるかもしれないと思ったけど……。明日がタイムリミットなんだもん。もう、遅いよね」


沙良がそう言ってほほ笑んだ。


なんで笑うの?


なんでこんな状況で笑えるの?