寛太が博樹にあたしたちの今の状況を説明すると、すぐに合流するということになった。


すぐにと言っても、あたしたちが暮らしている街からここまでは3時間はかかる。


途中から電車の乗り換えも困難になってくるから、博樹がここに到着する頃には昼を過ぎているだろう。


それまでに何かできることがないかと、あたしたちは再び図書館へと足を運んでいた。


昨日の賑わいは嘘のように、図書館は1人も人がいなかった。


「祭りの後はみんな会社とか学校とかで忙しいのよ。昨日の分を取り返したいのねきっと」


昨日資料の場所を教えてくれたお姉さんがそう言っていた。


仕事や学校がきつくなるにも関わらず、ほとんど全員が参加しているお祭り。


不参加だったのは誰なんだろうか。


あたしたちはそれぞれこの町の歴史書を手に、席に座った。