そう言ったのは寛太だった。


寛太は青ざめているが、まだ取り乱している様子はない。


「ここへ呼んでどうするの?」


気分が悪くなったのか、青い顔のまま座り込んでしまった沙良がそう聞いた。


「3人より、4人の方がなにかと動けるだろ。ヒントを見つけることもできるかもしれない。博樹だって、1人で落ち着いていられないから俺に連絡してきたんだろうし」


「……そうだね。博樹も沙良と同じ被害者だよね」


あたしはそう言い、沙良を見た。


沙良は青ざめたまま、肯定も否定もしない。


自分の事で精いっぱいなのだろう。


「ちょっと博樹に電話してくる」


「うん」


あたしは沙良の隣に座り、その手を強く握りしめたのだった。