本を更に読み進めて行くと、イケニエの存在の意味が分かって来た。


この町は梅雨の時期になると大雨が降る事が多かったらしく、町の大きな河は氾濫を繰り返し、周囲の家や田んぼをダメにしてきたらしい。


実りの雨が人々の生活を脅かしていたのだ。


そんな時、若い女性が河に流される事故が起こった。


しかし不思議な事に女性が河に転落した直後に大雨が止み、川の流れが穏やかになったらしいのだ。


それからというもの、女性が河に流された日にイケニエを捧げるようになったようだ。


それが100年間も続いたというのだ。


あの地蔵の数は100体はあるということだ。


気が遠くなるような歴史。


その時イケニエとなった女性の呪いが、現代になって拡散されているということなんだろうか。