早朝。


あたしは夜が明けきらない時間に目を覚ましていた。


スマホを確認すると、すでに沙良からのメッセージが届いている。


《イズミ、起きてる?》


《起きてるよ》


《寛太が始発で移動を始めようって言ってる》


《3時間だもんね。あたしもそのつもりだった》


返事をしながらベッドから起きだし、クローゼットを開く。


動きやすいジーンズとTシャツという恰好に手早く着替えた。


始発に乗るのなら、両親が起きだす前に家を出なきゃいけない。


まぁ、2人とも旅の疲れでグッスリと眠っているだろうけれど。


《じゃ、駅で集合ね》


《わかった》