あぁ、何かじめじめする……
身体中が痛ぇ
そうか、俺は負けたのか……
瞼を開けると、どっかの地下だった
鎖で手足を繋がれ身動きがとれない
「目ぇ覚めたか?無様なもんだなぁ?」
周りにはさっきのヤツらがいた
「ホントにやることしょうもねぇんだな、雑魚は。」
「っ、うっせぇ!!」
それを合図に容赦なく大人数で殴り始める
まじでリンチだな、こりゃあ……
あーぁ、母さんの言う事聞いときゃ良かったな
まぁこれも俺の罰か
なら仕方ねぇのかもな……
「やめろ!!」
ふと地下に響く声
バカじゃねぇのか
こんな俺を助けにくるなんてどこのバカだよ
この人数見えねぇのかよ
「あ?なんだおっさん。」
「正義のヒーロー気取りか?笑えんだけど!」
そうだ、こいつらの言う通りだ
しかもおっさんかよ
どうせサラリーマンかなんかだろう
適うわけねえんだからさっさと帰れよ
「俺の……俺の息子を返してもらおう。」
……なぁ、嘘……だろ……?
頼むから嘘だと言ってくれ
こんな場所で声が聞こえるような人じゃねぇんだよ
こんな場所とは場違いな、普通で生きてる人なんだよ
ゆるゆると顔を上げると、そこには必死な形相で立っている親父がいた
「どう、して……っ、消えろっ!!
こんなとこいんじゃねぇよっ!!」
頼むから逃げてくれ
俺はどうなってもいい
だから……
「バカかお前は!!
息子を置いて帰る親がどこにいるんだ!!」
その言葉に、その真剣な眼差しに、
あぁ、俺は愛されていたんだと気づいた
「おいおい、家族ごっことは泣けるねぇ!?」
「言えばいいじゃねぇか!!
「お父さん助けて〜」って!!ぎゃははっ!!」
「息子を離せ!!」
「残念だけどそうもいかねぇんだっての!!」
そういって、さっきのように一斉に親父に殴りかかる
親父はどこにでもいる普通の人なんだよ……
勝てるわけ、ねぇじゃねぇか……っ
「おい……っ!!
お前らの相手は俺だろうがっ!!
やめろよ……やめろっ!!」


