ぶらほわバタフライ





19時、私たちは宮平組の前にいた





「意外と大きいんだね〜。」



「……びびってるの?」



「そんなわけないでしょ〜?
むしろ暴れたくてウズウズしてるよ。」





まったく、どこにいても相変わらずなんだから





「ねぇお嬢さん。
結局言われるまま来ちゃったけど、作戦とかあるの?」



「あー……それなら大丈夫だよ。
きっとあの人たちが説明してくれるから。」





昔から言わない?



目には目を歯には歯を、って



だから、組には……組、でしょ?





「え……あれって〜……、」





やってきたのは組員を従えてきた神矢組若頭、航さん





「悪い、遅くなった。」



「いえ、こちらこそありがとうございます。」



「全然いいって。
それに、麓絽にも頼まれてるしな!!」





そう、なぜか麓絽と航さんは知り合いらしく、今回もそれがあったからこうして上手くいっている



最初は私たちだけで乗り込む予定だったけど、麓絽が呆れて手配してくれた



昔の恩もあるし、本当にどう返したらいいのか……





「ね、ねぇクロちゃん……。」



「なに?凜。」



「なんであの神矢組の、それも若頭と知り合いなの〜……?」



「えっと……昔お世話になった人なの。」





らしい、だけど



みんなは未だに呆然としたまま



大輝だけが航さんをただじっと見ていた





「じゃあ全員揃ってるし、作戦いうぞ。」













「理解した?」



「えっと、神矢組が先に乗り込んで〜」



「……その後に俺らが入って」



「慧を回収する、っていうことだね?」





さすが翔



回収っていうところがなんとも……





「仲間を奪った分、全員ぶっ殺してやる。」



「足元掬われんじゃねえぞ。」



「あぁ?」



「ここはもうお前らのいた世界じゃねぇ。
もっと奥にある地獄だ。
死体が普通にゴロゴロ転がっていやがる世界なんだよ。
お前らはせいぜい、死なずに仲間を救出することだけ考えてろ。」





威圧感ある航さんの言葉に、みんなが黙る



そうだ……



ここから先は平気で人を殺すことが出来る世界なんだ



私たちはそれをくぐり抜けて慧を助けなきゃいけない





「そういえば、クロちゃんはどうするの〜?」





凜が航さんに提案した途端、身体の中で何かがじわりじわりと暴れ始めた気がした



そういえば、どうするんだろう……












「お前ら、少し離れとけ。」



「え……?」



「早くしろ。じゃねぇと……死ぬぞ?」





航さんは少しずつ私に近寄ってきて



みんなは徐々に私と航さんから離れていく





「わ、航……さん……?」



「クロ。少し目ぇ閉じてろ。」



「あ、はい……。」





目をつぶると、航さんが何かを手に取った気配がした



なにしてるんだろう……



そして……





「クロ。目ぇ開けていいぞ。」





何だか変な予感がして、ゆっくりと目を開ける



何かを目で捉えようとしたその瞬間、私の意識は暗い場所へ引きずり込まれた