ぶらほわバタフライ




麓絽と連絡をとってから時間は待ってくれることはなく、私たちは少し早い夏休みに突入した



七夕の日がもう夏休みなんておかしいと思ったけど、茜先生曰く、"REDMOON誕生の日に学校があると、色々面倒が増えるから"って言ってた



前に何かあったのかな……?



REDMOON暴走の日



あれから慧は日に日に落ち込んでいって



それを見て私も焦っていた



いつか慧が壊れてしまいそうで





「今日は大変な日になりそうだね〜。」



「……楽しんでるくせに。」



「え〜そうだっけ〜?
紫苑も楽しみなんでしょ〜?」



「お前らはなんでそううるさいんや。」





いつも通りの幹部室



下では下っ端くんたちが準備をしている



だけどそれはいつも通りに見えているだけ



慧が空元気なのは、きっとみんな気づいていた





「今日は暴れられそうやな。
わくわくするわ。」



「それもいいけど、役目はちゃんと果たすんだよ。」



「任せとき!!完璧にしてみせるわ!!」



「役目?」



「慧はね〜特攻隊長なの〜。
1番前を走って、もし警察が来た時には警察を誘導したりする役なんだよ〜。」



「それって……慧が1番危ないってこと?」





そう呟いた瞬間、部屋が静かになった



なんで……なんでそんなことするの……?












「そうだ。」










そんな静寂を破ったのは、奥で1人座る大輝





「仕方のないことだ。」



「……慧が危ないことするのが仕方ない?」



「……お嬢さん、俺たちにとって長が捕まるのは、REDMOONが死ぬのと同じなんだよ。
だから俺たちはREDMOONが消えないように守り続けなきゃいけない。」





それで……誰かが誰かのために犠牲になるの?





「クロちゃん……。」



「お嬢さんの気持ちも分からなくはないよ。
でもね、どうしようもないんだ。
REDMOONは俺たちの居場所だから。
ここがなくなったら俺たちは帰る場所がなくなるんだ。」





分かってる



初めてここに来た時から



下っ端くんたちだけじゃない



幹部のみんなにも、REDMOONという場所は心の拠り所だってこと



だって私もそうだから





「クロ。」





私を呼ぶ慧の瞳は真剣だった





「そんな心配せんでも平気や。
俺が捕まったりすることなんてありえへん。
それに、俺にはこの役目が誇りなんや。
だからクロは楽しんで、安心して俺のこと待っててくれな?」





きっと、待ってる私より慧の方が怖いと思う



雅ちゃんのこともあって、それでも心配かけまいと笑って





「……慧がそう言うなら私は待ってるよ。
怪我なんかして帰ってきたら許さないから。」



「ははっ、それでこそクロや。」