〈珍しいじゃねぇか。
クロが電話してくるなんて。
なんかあったのか?〉
「麓絽に聞きたいことがあるの。
本当はあまり頼りたくなかったんだけど……。」
〈おいおい、聞き捨てならねぇなぁ。
頼られんの好きだぞ、俺は。
で?聞きたいことって?〉
あまり人が近寄らない場所で隠れるように電話する
「麓絽が務めてる病院について。特に院長。」
〈なんで院長なんか……おい、まさか……っ〉
「もしかして……何か知ってるの?」
〈いや……俺が知ってんのはあくまで噂だ。
五十嵐の妹が入院してんのは知ってるか?〉
「……うん。たまたま見つけちゃって。
それで、医者と慧が話してるの聞いちゃって。」
私は手術ができなくなったことと、待ってるって上からの伝言のことを話した
〈それで、お前はどうしたいんだ?〉
私は麓絽に誓った
私も自分に誓った
どうしたいかなんて、そんなのはとっくに決まってる
「あんな顔してる慧はいつものエセ関西弁喋ってる慧じゃない。
だから、私は私の全てをもって慧を助ける。
ごめんね?麓絽。
力を貸して欲しいの。」
少しの沈黙のあと、電話の向こうからため息が零れた
〈そういうと思った。
だが、今回は深魁ん時のようにはいかねぇ。
敵はデケェからな。
そこらへんは俺がサポートしてやるよ。〉
「うん、ありがとう。」
今回は私だけじゃ何も出来ない
ぐちゃぐちゃに絡み合って解けない糸のように
だから麓絽がいてくれて本当に良かった
〈今度七夕にそっちに行くから、そん時までに情報集めといてやる。
それまであんま無理すんじゃねぇぞ?じゃあな。〉
これで対策を練れる
私も自分で出来ること考えなきゃ……
「……ん?麓絽、どこにくるんだろう?」
そっちってどっち?
この間も学校に来てたし学校かな?
それに……凜の時のこと、麓絽に言ったっけ?
気づかないうちに言ってたのかな?
時間は少ない
私も麓絽に頼りすぎるわけにはいかない


