ぶらほわバタフライ



「お前は……クロの身代わりになったのか。」



『あぁ。
今のクロの記憶喪失は、精神的なものによって偽りの記憶に書き換えられている。』





わしらのことを覚えていなかったのはそういうわけか





『クロの身体能力は今は封印されている。
それはクロ自身が誰かを傷つけないようにするためだ。
クロは……人を傷つけることをひどく怖がる。
だからそういう時は俺が出るようにしてるってわけ。』





もし、もしそうだとしたら……





「あの抗争の時、クロの姿で暴れたのは……」



『あの時はまだ不完全だったけどな。
だが、最近のクロは変わった。
仲間が出来たことで、それを守りたいがために自分を犠牲にしようとし始めた。
……だからといってクロの傷が癒えたわけじゃない。
だから俺が出てストレス発散してる。』



「ストレス発散?」



『繁華街で喧嘩吹っかけてくるのを鎮圧してるだけだ。
それほど危険でもないしなぁ。
昔はよく真白と潰しまくったもんだ。』





思い出に浸るように懐かしむ殺



きっと殺は気づいていない



殺自身も傷ついていることを



クロが仲間と笑っていられるのは、殺が辛さを全て背負っているからなのだから





「……たまにはクロじゃなく殺としてもココに来い。
息抜きぐらいにはなるだろう?
わしらはお前たちをいつでも歓迎するぞ。」





殺は目を見開いたが、ふっと目を細めて笑った





『本当に変わったやつだな。
……感謝する。』



「ったく、本当に上から目線だな!!
まぁ……時間作ってやらなくもねぇからな。」



『いや、別にいい。』



「んだとこの野郎っ!!」



『ははっ!!』





航とも相性がいいみたいだな



クロだろうが殺だろうが関係ない



わしらにとって、そのどちらも大事な存在だ



だからわしらは、今度こそ守らなきゃならない