ぶらほわバタフライ



クロは残党に向かって飛び込んだ



クロの瞳は……赤くなっていた



そこから先は地獄絵図だった



子供が持つはずのない圧倒的な力を振りかざし、自らを血で染め上げた





「な……なんだこいつは……っ!!
この、バケモノが……っ!!」





敵の言葉に反応しこちらを振り向いたクロは……泣いていた



必死に赤い瞳が訴えていた



助けて、と





「ふざけんな……っ。
俺も……クロも……人間だっ!!
好きでこんなのになったんじゃないっ!!」





そう叫ぶ真白の瞳は青くなり、バケモノと言ったやつに襲いかかった



部屋に立つものはわしと2人だけになった





「クロ……お前、」



『……バケモノ……バケモノ……私は、』





近寄った真白がそっとクロを抱きしめる



2人が初めてここにきた日のように





「大丈夫。俺たちは普通の人間だ。
バケモノなんていないよ。」





真白の声を聞きながら、クロの瞳はだんだんと元の色に戻り、気を失った





「幹太さん。
今まで、ありがとうございました。」



「ここを出る気なのか?」



「クロが自分を制御出来なくなった今、これ以上迷惑をかけるわけにはいきません。」





迷惑など、微塵も思うものか



誰が極悪非道と言われた神矢組を温かい場所にした



誰がわしらに笑顔を向けてくれた



全てお前たちがわしらにもたらしたものだ





「お前たちが気にすることなど何もないだろう。」



「……っ、本当に皆さんといれて幸せだった……。
家族のようで……、クロだけじゃなく俺まで引き取ってくれて。
だからこそ、俺は皆さんに恩返しがしたい。
俺たちが皆さんから離れることで、それが叶う。」



「そんなもの、わしらは望んでいない。」



「……すみません……俺たちのことはもう忘れてください。
今までお世話になりました。」





引き止める間もなく、真白はクロをだき抱えて去っていってしまった



結局わしは、2人を守ることが出来なかった