ぶらほわバタフライ



ガラッ




「……迎えに来た。」



「珍しいね。紫苑が迎えに来るなんて。」



「…………。」





紫苑はドアの前に立ち尽くしたまま動かなかった





「……どうしたの?」








「……何で泣いてる。」





泣いてる?



紫苑に言われて、初めて自分の頬を流れる涙に気がついた





「あれ……?
ちゃんと、笑ったはず……なのになぁ…。」





私に泣く資格なんてないのに



ねぇシロ兄



私のことシロ兄はきっと恨んでるよね。



私はシロ兄にどうすれば償えるのかな……?








ギュッ



ふと降り注いだ温もり



その温もりをくれる人は1人しかいない





「し……お、ん……ッ?」





紫苑の表情は見えなかった





「……俺は、お前のこと知らない。
だから何でお前が泣いてるのかも理解出来ない。
だけど……お前はもう1人じゃない。
その悲しみを吐き出す場所が、もうある。」





紫苑の腕に力が入ったのが分かった



強く抱きしめてくれた紫苑の存在が、今は安心する



そう、もう1人じゃない



不安、だったんだ……



またあの日みたいになるんじゃないかって



本当にあの想いだけは……





「大丈夫……大丈夫……ダイジョーブ。」



「……ふふっ、今日の紫苑は優しいね。」





いつも人に極力関わらない姿勢を見せる紫苑だけど、今日はこうやって温もりをくれる





「……別にお前のことが嫌いな訳じゃない。
ただ……俺にはお前が眩しい。」



「眩しい?」



「俺には何もない。
空っぽで、だけどその穴をいつまでも埋めることが出来ない俺には、お前が他とは違う存在に見えた。
周りからすぐに信頼されて純粋で真っ直ぐなお前に、俺は憧れて……嫉妬した。」





紫苑……





「紫苑は空っぽなんかじゃない。
こうして私を抱きしめてくれて包み込んでくれる優しさがある。
それに、その穴はきっと塞がりかけてるよ。」





紫苑は首をかしげた





「紫苑にとってREDMOONが……みんなが紫苑の穴を埋めようとしてくれてる。
少なくとも私にはREDMOONにいる時の紫苑は輝いて見えるよ。
それに、これから色々な紫苑を私は見つけていきたい。」





まだ出会ったばっかなんだ



だから……今だけはみんなと一緒に一生の思い出作りたい



シロ兄、必ず見つけるから待ってて