暗闇の中でゆっくりと目を開ける
私の目の前にいたのは、真っ赤な瞳を持った私
「ごめんね。
随分長い間あなたを傷つけた。」
『それは俺が勝手に決めてしたことだ。
クロが謝ることじゃない。』
「殺。
あなたはその名前の通り、私の過去を殺してくれたんだね。」
『……っ、俺は……耐えられなかっただけだ。
手の届かない所でクロが壊れていくのが怖かったっ。
だから……だから俺は、お前のためだと偽って記憶を……っ!!』
きっと殺は責めてほしいんだ
勝手に記憶を消して、記憶がないことで戸惑っていた私を見てきたから
「私は殺を責めたりしないよ。
私がこうなるのを予想して、私のために記憶を消してくれた。
私のためにしてくれたことに私が責める権利なんてないんだよ。」
記憶を取り戻したから分かる
殺が私の心を感じ取ってくれたように
今は私の心にも殺の心が伝わってくる
私の影として存在することが苦しかったこと
REDMOONのみんなと関わって私が羨ましいと思ったこと
その思いを消そうと自分を律していたこと
そして……私のためだからと全てを代わりに背負ってくれたこと
それを殺が後悔していないことも
だからこそ私は、報いなければいけない
「今度は私が殺のために生きる番だよ。」
『クロはそんなことしなくていい。
だから……頼む。
このまま、あいつらと幸せになってくれよ。』
そうだね……
そう出来たらどんなに良かったか
ずっとそう思ってた
「これ以上殺を縛るわけにはいかないの。
もとは私の記憶。
大丈夫、もう逃げないから。」
どうしても無理だった
失くした記憶も
シロ兄のことも
全て忘れてみんなと生きていく道を選ぶことが


