ぶらほわバタフライ


「……てめぇ……。」



「やぁやぁ久しぶりかなぁ。
いつぶり?もう何年も前になるよねぇ?
あれ、もう俺のこと忘れちった?」



「ごちゃごちゃうるせぇ。
てめぇと昔話をしてる暇ねぇんだよ。」



「冷たいねぇ。
わざわざ俺が会いに来たのになぁ。
でも、別にいいよ。
今日俺が会いにきたのは君じゃないからねぇ。」



「あ?何言って……」



「迎えに来たんだよ?……おいで。」





そういってその子は手を伸ばした



まるでこの手を取るようにと











私に向かって









「……わた、し……?」





誰……?



私はこの子のことなんか知らない……



なんでこの子は、私を知ってるの……?





「あれ、メール届いてなかったぁ?」



「……メール……、あれはあなたが……?」



「そうだよ?
やっと見つけたんだもん。
早く会いたいじゃん?
だから来ちゃったんだぁ。」





この子は何を言ってるの?



やっと見つけた?



もう頭がぐちゃぐちゃでわけがわからない



でも……私よりこの状況を理解している人がいた





「……まさか……、」



「……大輝?」





大輝は私を見て目を見開いていた





「え、なに?
もしかして知らなかったの?
そんなに近くにいたのに?
そっちには紫苑もいたのに。
あぁそれとも……2人して気づかないフリしてたのかなぁ?」





大輝と紫苑は私の何を知ってるの……?



なんで



待って



私だけが取り残されていた



でも理解させてくれる時間なんか与えてもらえなくて





「俺は『No.3』。
そして君は……」





その子はただ一言、こう言った










「『No.2』
それが実験の時に呼ばれていた……君の名前でしょ?」









その瞬間、私の意識は深い場所に堕ちていった



ふと思ったんだ



あぁ、情報屋さんが言ってたもうすぐっていうのは……こんな近くにあったんだって



すぐそこまできていた記憶の欠片が、引きずり込むように私を飲み込んだ



それは遠い遠い……たったひとつの物語から始まった