ぶらほわバタフライ



「ごめん、それをクロに教えることは出来ない。
俺も口止めされててね。

でもこれだけは覚えておいて。

もうすぐ……その記憶は蘇る。

それは必ずしも良いものじゃない。

きっとクロを苦しめる。

それでも……クロは記憶を取り戻したい?」





この人は忠告してくれている



私の全てを知っているからこそ



この先に踏み込むには覚悟がいるのだと



誰に口止めされてるのかとか、



なんで苦しむのかとか、



聞きたいことはたくさんあったけれど、



それでも私はただ一言





「どんな苦しい過去だっていい。
無くしてしまった私は紛れもない私だから。
私が受け入れなきゃ、過去の私はいなくなっちゃいますから。」





それはとても悲しいことだと思うから





「……クロらしいね。
今回は報酬はいらないよ。
とっくに依頼主から貰ってるからね。」





依頼主……?



情報屋さんは背中を向けたが、思いたったように振り向いた





「クロは……俺の姿を見てどう思った?
似てると思わなかった?」





それは最初に情報屋さんを見た時に思った





「前にみんなが話してるのを聞いたことがあります。

REDMOONにもBlue skyにもつくことがないGhost。

情報屋さんの格好はまさにそれだなって……。」



「そうだね。
俺"たち"はみんなからGhostって呼ばれているよ。」





Ghostは1人じゃない?



でもGhostがチームだなんて聞いたことがない



慧がやられた時も相手は1人だったって言ってた



慧がやられるほど強いなら、それがもしグループだったら……





「これ以上は秘密だよ。
俺も迂闊には喋れない立場だからね。
でも、クロは俺たちのことを知ってる。
そして俺たちもクロを知ってる。
俺たちはいつだってクロの傍にいるから。」





そう言うと、情報屋さんはどこかに行ってしまった



最後の言葉……





「私は……Ghostの正体を知っている……?」





その言葉の意味が分かるのはもう少しあとの話