そうして話してると、閉店30分前になっていた
「今日も来なかったら……」
あと少しでテスト期間も終わる
そうするとみんなにまた嘘をつくことになる
それだけは嫌だなぁ
その時、お店の扉がゆっくりと開く音がした
「クロさんの気持ちはきっと伝わってますよ。
だって、ほら……」
店長さんの見ている方を振り返ると……マントを羽織り狐の仮面をつけた人が立っていた
あの人が……情報屋さん?
でも、あの人って……
情報屋さんが持つ雰囲気は独特で、だけどとても薄く感じた
「やっと顔出してくれましたね。
可哀想じゃないですか、ずっと待たせて。」
「それが俺のやり方でしょ。
店長も分かってるくせに。」
「そうですが……いつも可哀想に思えてくるんですよ。
特に今回のようなお客様は。
こんな可愛らしい人を閉店ギリギリまで……。
帰る時に何かあったらどうするんですか。」
「はいはいごめんって。
ちゃんとそこまで見てるから大丈夫。」
「あ、あの……。」
店長さんと情報屋さんの話に追いつけなくて
私の頭にはハテナがたくさん
「クロさん。
私はあなたに謝らなければなりません。」
「え?」
「私は最初から知っていたんです。
あの人がすぐにはクロさんの前に現れないことを。」
そういって入口に立っている情報屋さんを見ながら申し訳なさそうに謝る店長さん
「1週間。
1週間待ち続けて、それでも知りたいという覚悟がおありの方。
それがあの人が出てくる条件だったんです。」
この1週間は、情報屋さんからの試練だったのか
情報屋さんを見ると、情報屋さんは首を傾げていた
行動が少しあどけない感じ……性格作ってるのかな?
「クロさん。
この1週間、よく頑張りましたね。」
「あ、ありがとうございます。」
「今度は何もない時にでも寄ってくださいね。
サービスします。」
「ふふっ、そうします。」
「じゃあクロ、おいで。
外で話しようか。」
私の名前……知ってる?
情報屋さんだからかな?
でも、その声にどこか懐かしさを感じたのは気のせいだろうか


