◆◇◆◇


 目を開けると、白いタイル張りの天井が視界に広がっていた。

 結局、私は倒れてしまったんだ。

 何度か同じように貧血で倒れたことがある私は、この保健室の天井もお馴染みになっている。


 また、迷惑をかけてしまった。今回も派部先生が保健室まで運んでくれたのかな。後で、またお礼と謝罪の手紙を書こう。


 ベッドから重い身体を起こすと、グラリと脳が揺れた。

 ベッド周りに閉じられたカーテンの端を、そっと掴む。


 このカーテンを開けたら。保健の先生に、ちゃんと「すみませんでした、ありがとうございました」って言おう。

 今日こそ間違いなく、謝罪とお礼の言葉を言うんだ。


 カーテンを掴む手に汗がじわりと滲みでる。ゆっくりと息を吐いて吸って、鼓動を落ち着かせる。


 大丈夫、今ならいける。

 クリーム色のカーテンをシャッと勢いよく開けた。