「た、大したことじゃないんです!誰でもいいみたいな人たちで全然私じゃなくてもっていうか、たまたまそこにいたら声をかけたみたいな感じで……」
私に語彙力があればもう少しうまく伝えられるのに。
すると夢乃くんの手がゆっくりと伸びてきて、私の髪の毛をさらうようにして触る。
「だから危なっかしいんだよ、瑠花は」
ビー玉みたいな綺麗な目。その瞳に見つめられると私は胸がギュッとなって逃げたくなる。
「……へ、平気ですよ。容姿も大したことないですし私なんて」
「ん?瑠花は可愛いよ」
かわ、かわ、可愛い?
夢乃くんは口が上手くて私を惑わせるすべを沢山知ってるからこのぐらいで動揺しちゃダメだ。
「可愛いなんて嘘ですよ。ブスって言われたことしかありませんから」
夢乃くんにとって可愛いは美味しいと同じ意味なんだ、きっと。
「俺が可愛いって思うぶんには問題ないじゃん。ダメ?」
「う……」
夢乃くんの取り扱い説明書があればいいのに。
夢乃くんは私の髪の毛で遊びながらも、どうやら許してくれたわけじゃないらしく閃いた顔をして私を見た。
「でも音弥と秘密で会った罰は受けてもらおうかな」
罰という単語にゴクリと息を飲んだ。



