そのまま夢乃くんを家へと招き入れて私はお湯を沸かす。
お母さんがこの前仕事場の同僚の人にもらったジャスミンティーを出すためだ。
「どうぞ」
リビングに座っている夢乃くんはずっと仏頂面。なにから話そうと言葉を選んでいる間に「さっきのはなんなの?」と不機嫌に聞いてきた。
「さ、さっきの?」
もしかして怪しい人と間違えて過剰に驚いてしまったやつかな。
「ドアを開けた瞬間だったのでその……」
「違うよ。俺、瑠花のアパートの前で待ってたじゃん」
「え?」
「ねえ、って何度も話しかけてんのに無視するし」
……全然というか、まったく視界に入ってなかった。
「す、すいません。ぼんやりしてて気づきませんでした……!」
夢乃くんのことを考えてました、なんて言い訳にはならないけど、まさか現実の夢乃くんがアパートの前にいるなんて想像もしてなかったし……。
「……怒ってますか?」
お伺いをたてるようにそっと聞いてみる。
「うん。今までなにしてたの?」
「えっと……」



