相手は年上の人なのに音弥くんは関係なくギロリと睨む。
「な、なんだよ」
「ガキのくせに生意気だな」
相手は男性ふたり。それでも圧倒的に音弥くんのオーラのほうが勝っていた。
「目障りだから消えろ」
「な、なんだと……」
「べつにケガしてもいいならいいけど。俺、手加減の仕方知らねーから病院代は自分らで出せよ」
「……っ」
結局、ふたりは音弥くんから逃げるようにバッティングセンターを出ていった。
……音弥くんって本当にケンカ慣れしてる人なんだな。自分が睨まれると怖いけど、助けてくれた音弥くんはなんだか頼もしかった。
「あ、ありがとうござ……」とお礼を言いかけて、それを上回るスピードで音弥くんが先に言う。
「お前みたいな芋女をナンパするとかどんだけ女に飢えてんだよ」
「え?」
「猿でもイケんじゃね?」
「なっ……」
音弥くんは鼻で笑っている。
……前言撤回!
頼もしくもなかったし、お礼も絶対に言わない。



