たぶん学生じゃない。私服だから分からないけど20代前半のふたりぐみ。
「その制服ってS高でしょ?可愛いね」
これは私とは無縁だと思っていたナンパというやつだろうか。
はは、まさかね。
「ひとりなら俺らと遊ぼうよ!」
「なんでも奢ってあげる。カラオケでも行く?」
私の大いなる勘違いじゃなければ、たぶん私はナンパされている。
決して舞い上がってはいない。私、というよりは女子高生なら誰でもいいと顔に書いてあったから。
「すいません、ひとりじゃないんです……」
これは確実に音弥くんよりも危険な匂いがぷんぷんした。
「うわ、敬語ってやっぱりいいよな!弱い女の子って感じがする!」
「お前は会社で女上司に罵倒されすぎだよ。ごめんね?俺ら怪しくないからね?」
「なんでお前だけいい人アピールだよ!ねえ、俺ら車で来てるからドライブでもいいよ。助手席に乗せてあげるから」
ここで下手に出てはいけない。
そう思ってもスキルのない私にうまく交わす技術はない。
「ねえ、早く行こうよ」
手を掴まれて、なんだか気持ちわるい。
どうしよう、どうしよう……!
「なにしてんの?」
涙目になりながら顔をあげると、そこには電話を終えた音弥くんがいた。



