「ごめんなさい」と丁重に断ろうとした瞬間、夢乃くんがギィィと椅子を引いて深く背もたれに寄りかかる。
そして……。
「正直、面倒くさいんだよね。キャーキャーうるさい耳障りな女の子って」
……え?面倒くさい?耳障り?
「邪険にするのも可哀想だから当たり障りない態度をしてるけど、すごいストレス溜まるっていうか、もううんざりって感じでさ」
私の耳がバカになったんだろうか。
いつも女の子たちに神対応で影では王子様なんて呼ばれている夢乃くんが……なんか夢乃くんじゃない!
「だからね、俺に興味がない子を探してたんだよね」
夢乃くんが私を見てニコリと笑う。
「仁科さんは俺を好きにならないし興味もない。俺的には丁度いいっていうか、うん。やっぱり仁科さんがいいなあ」
また甘えるような声を出して、どうやら夢乃くんの中に切り替えるスイッチがあるようだ。



