さっきまで夕暮れだったのに外はすっかり薄暗くて、外灯の明かりが怪しげに光っていた。


「ほら、瑠花ひとりじゃ危なかった」

ここら辺の道は車の通りもないし人も少ないから暗くなると小さい子は通っちゃダメだよと言われるぐらい。

夜道を歩く夢乃くんはなんだか頼もしくて、隣にいるだけで心強い。

しかも自転車が通ると私を端に寄せて守るように歩いてくれるし、どこまでが計算だか分からない。


コンビニに着いてケチャップだけを買うつもりが、新作のスイーツを見つけてそれもカゴの中へ。

そしたら止まらずにお菓子やアイスを次々と入れたら夢乃くんに笑われた。


「食いしん坊だね」

「あ、甘いものは別腹なんです!」

「うん。知ってる。3歳の頃も鼻にソフトクリームついてたもんね」


優等生じゃない私の一面が夢乃くんにバレていく。

それらをお会計してる間も「こんなに買ったならやっぱり今日はお泊まりじゃない?」と夢乃くんがからかってきて、思わず小銭を落としそうになった。


コンビニを出ると夢乃くんが袋を持ってくれた。

意地悪だけど優しい夢乃くんとまた私の家へと戻ろとすると……。


「夢乃?」

後ろで声がした。


振り返るとそこには男の子が立っていた。

何故かドキドキと胸が高鳴る。だってだって……。


「音弥(おとや)……」

その隣で夢乃くんの顔が険しくなっていた。