「じゃあ、夜はひとりなの?」
「そうですけど」
「ふーん」
なんだか夢乃くんの口元がゆるんだ気がする。
これはなにか企んでる顔だ。私も色々と学んでるからそれぐらい読み取れるようになってきた。
「今日泊まっ……」
「ダメです!絶対に!」
先手必勝だ。
夢乃くんに振り回されるだけの私じゃないってところを見せなくちゃ。
「そんな全力で拒否られると傷つくな……」
夢乃くんがしょんぼりとうつ向いて、まるでオモチャを取り上げられた子どもみたいになっている。
「え、いや、あの拒否というか……」
慌てて夢乃くんに近寄るとそのまま私は腕を掴まれた。
……え、と思う暇もなく、気づけば私はベッドへと押し倒されていて夢乃くんのサラサラの髪の毛が頬に当たる。
「スキあり」
ニヤリと夢乃くんは笑った。
……やられた。油断した。そんな気持ちよりもドキドキとうるさいこの心臓をなんとかしてほしい。



