逃げたいけど逃げられない。どこを見ても夢乃くんファンの女の子ばかり。
夢乃くんこそ、一体どんな手を使ったらこんなにファンができるの?
やっぱり私とは住む世界が違う人だ。
「そもそも夢乃くんはみんなのものなんだよね」
すると、ひとりの女の子が私を睨みながら言う。
「夢乃くんはみんなの癒しで、みんなの王子様なの。意味わかる?」
……そうか。
私が右京さまに心を満たしてもらってるのと同じで、きっとこの子たちにとってその穴を埋めてくれているのが夢乃くん。
右京さまは愚痴を言わないし、私が甘えたりしてもすべて受け止めてくれる。
だって右京さまはゲームのキャラクターで、そういう女の子たちを満たすために作られた存在だから。
でも、夢乃くんは?
可愛いとかみんなのものだとか決めつけられて、本人の気持ちなんて関係なく家まで突き止めたりする。
だから夢乃くんはそんな毎日に疲れちゃったんじゃないのかな。
全然分かり合えないと思ってたけど、その気持ちだけは理解できたような気がした。



