夢乃くんにご注意ください



「え!いいの?食べたい!」

夢乃くんが子どもみたいな顔。


「ど、どうぞ」

「じゃ、これと交換ね」

「コロッケパンですか?」

「うん。嫌い?」

「いえ、いただきます」

実は購買でパンを買ったことはなくて食堂も利用したことがない。興味はあるけど人が多い場所は苦手だし、昼休みの食堂は戦争だって聞いたことがあったから。

そんなことを思いながらコロッケパンを食べると……。


「どうしたの?」

私の手が止まっているから夢乃くんが不思議そうな顔をしていた。


「……なんか美味しくてビックリしました」

なにこれ!

パンよりご飯派だから惣菜パンって素通りしてきた人生だったけどコロッケパンってこんなに美味しいの?

感動してパクパク食べていると夢乃くんがクスリと笑った。


「なんかリスみたい」

それは夢乃くんでしょ!と言いたくなったけど、今はがっついてしまった自分が恥ずかしい……。