「なんでここにいるんですか?」
ひとりになりたいからわざわざ音楽室に着たのに……。
「むしろなんで仁科さんはここに?」
「私はお昼ごはんをここで……」
「なんで?誘ってよ」
さ、誘う?私が?夢乃くんを?
そんな選択肢はなかったというか、学校で友達がいない私はひとりでご飯を食べるのが当たり前になってたから。
「付き合ってるんだから一緒に食べようよ」
夢乃くんはそう言って私の隣へと座った。
購買で買ってきたパンをふたつ出して口いっぱいに頬張る。なんだかそれがリスみたいで不覚にもキュンとしてしまった。
こんなに隣で美味しそうに食べられると私もお腹がすいてきてカバンからお弁当を出してテーブルに広げた。
「もしかして、それ自分で作ってる?」
「え?ああ、はい」
……夢乃くんがじっとお弁当を見てるから食べづらい。
「た、食べます?」
なぜそんなことを言ったのか分からないけど、夢乃くんが食べたそうに見てたから……。



