「彩芽ちゃんにブスという人はいないと思います」
こんなに可愛い子と買い物してることがちょっと自慢だ。
「だからそういうことじゃないの。他人にブスとか罵倒されていい人なんていないでしょ。アンタも含めて」
彩芽ちゃんはイライラした勢いでクレープを一気に口に入れてしまった。そしてゴクリと飲み込んで私を見る。
「自信を持ちなさい。桐人はアンタを選んだんだから、背中を丸めて亀みたいにウジウジしてたら許さないからね」
「彩芽ちゃん……」
「それとずっと鼻にクリームついてる」
「え゛」
「もう、しっかりしてよ。そんなにどんくさいならすぐに桐人を奪っちゃうからね」
彩芽ちゃんは可愛いハンカチで私のクリームを拭いてくれた。
彩芽ちゃんに笑われないように私も頑張らなくちゃ。それでいつか認めてもらいたい。
彩芽ちゃんみたいに可愛くなれるか分からないけど、背すじを伸ばして堂々と夢乃くんの隣に並びたいから。
私は早く追いつきたくてその背中を追いかける。だけどやっぱり彩芽ちゃんは目立つから周りの人が放っておかない。
「可愛いね、俺らと遊ばない?」
「失せろ、ゲス野郎」
……そ、それは他人を罵倒することにならないのかな?
誰よりも可愛いのに、そのギャップの虜になってしまいそうだ。
「なにしてるのよ。まだ私も洋服見たいんだから早く歩きなさい」
こんなことを言ったら怒られちゃうけど、私は彩芽ちゃんと友達になりたいな。
調子に乗るんじゃないわよ、って言われると思うけど。



