夢乃くんにご注意ください



と、その時。音弥くんのスマホが鳴った。

どうやら彩芽ちゃんからのようで、そういえば彩芽ちゃんは今夢乃くんと一緒にいるんだっけ。


……いいな。私も夢乃くんと一緒に帰りたかった。

ギュッと、もどかしい気持ちを押し殺して、音弥くんと彩芽ちゃんの電話は3分ほどで終わった。


「あ、彩芽ちゃんはなんて……」

気になって、つい自分から聞いてしまっていた。


「なんか借りてたもの返すとかで今ふたりで八塚の家に向かってるって……」

「彩芽ちゃんの家に……?」

胸が大きな風に吹かれるようにザワザワと揺れる。


「そのまま流れでくっつくもな。八塚にとってはチャンスだし、アイツは意地でも夢乃のこと……」

「ど、どこですか?」

気づくと私は音弥くんに詰め寄っていた。


「ふ、ふたりは今どこにいるんですか……!?」

頭で考えるよりも身体が先に動いた。

私も夢乃くんのことは譲りたくない。誰にも渡したくないって気持ちが溢れて止まらない。